こんにちは!
本日は最も関心があると思われる塗料の耐久年数に関するお話になります。
皆様は塗料の種類ってどれくらいご存知でしょうか?
ご自身で検索したり、調べたりしたことが有る方はこんなのを見たことは御座いませんか?
アクリル塗料<ウレタン塗料<シリコン塗料<フッ素塗料<無機塗料
※右に行くほど耐久性が高い。
又は・・・
塗料の耐久年数
アクリル3~5年
ウレタン6~8年
シリコン10~12年
フッ素15~20年
無機20年~
といったような説明を見たことがあるかもしれません。
この説明が正確なのかどうかはさておき、この耐久年数ってどのように算出しているかご存知ですか?
これは塗装業者でも知らない方が多いと思います。
という事は何を根拠に耐久性は○○年です!とお客様に伝えているんでしょう・・・という話なんですが(笑)
実はカタログやメーカーのHPを見ると耐久性○○年とかグラフが記載されている事が多いんです。
それをそのまま伝えている業者が多い事・・・
その為、「同じシリコンやフッ素塗料なのに業者により言われる塗料の耐久年数が違う」
という事が起きています。これでだいたいのお客様は困惑します。
そういった話に惑わされないようにする為にも是非このお話は最後まで読んでおくと良いと思います。
話を戻して、塗料の耐久年数の算出方法についてです。
算出方法は様々あると思います。
よく塗料のカタログを見ると記載されているのが耐久年数のグラフです。
※記載のない物もあります。
これは「促進耐候性試験」という試験の結果のグラフで有る事が多いです。
この試験に基づいて耐久年数を示している事が多いです。
ではこの促進耐候性試験ってどんな試験なの?という事がわからなければいけません。
まずこの試験を行う目的としては
「屋外で使用される製品の品質や劣化(変化)の傾向を迅速に評価する事」です。
塗料が新製品として出来上がり、売り出す前にはその塗料の性能を評価した上で販売します。
次にどんな試験なのか?です。細かい話をすると長くなるので簡潔に言います。
「屋外の状態に近似の状態を作り出し、劣化具合を見る試験」=シミュレーションです。
人工的に紫外線に相当する光源を用意して照射したり・・・という事です。
簡単な具体例でいうと、最初の艶を100%として、キセノンランプを何千時間照射した時、
その時の光沢保持率が○○%です。というような試験です。
つまり、実際の環境下での試験ではないと言う事です。これが重要です。
当然ですが、新製品が出来てから塗装した板を屋外に10年や20年放置して経過観察をしてから販売・・・
なんてことをしているのは無理が有ります。なのでこのような試験を行っているのです。
この試験の結果に基づいて、耐久性○○年という風に決めているという事です。
もうお分かりかと思いますが、実際の環境下で使用した場合とシミュレーションでの
耐久年数に差違が出るのは当然ですよね?
※車の試験に関しては全く分かりませんが、
メーカーで言われた燃費と実際に自分で走った時とでは全然違うじゃないか!!!
っていうのと似たような事です。(笑)
このような試験結果のデータに基づいて、耐久年数○○年です。と伝える業者と
実際に使用して経過を見てきた業者が言う耐久性○○年です。と伝える業者
年数に差違が出るのは当然ですよね?
これが業者により言われる耐久年数の違いの原因です。
勿論、同じシリコン塗料でも使用する材料により耐久性が変わる事も有りますが、
一般的に促進耐候性試験に基づいて算出している耐久年数からは落ちると考えてください。
試験結果そのままの耐久年数を伝えている業者さんは知識が無い事が多いです。
惑わされないように注意して下さい。
今回は促進耐候性試験のお話までで終了です。
次回はもう1つの試験方法「宮古島での屋外暴露実験」についてのお話です!
お楽しみに!