こんにちは!
本日は塗装工事を行うに当たり、コーキング工事をどのタイミングで行うのか?
といったようなお話になります。
コーキング工事を行うタイミングは2種類あります。
1つ目は先打ちと言い、「塗装を行う前にコーキング工事を行う方法」
2つ目は後打ちと言い、「塗装が完了してからコーキング工事を行う方法」です。
先打ちと後打ちに関しては説明を行う業者は少ないかもしれません。
では先打ちと後打ちで何が変わってくるのでしょうか?
まずこの写真を見てください。↓
この写真を見て、どのように感じますでしょうか?
「コーキングに亀裂が入って切れてしまった」と感じませんでしょうか?
実はこれコーキングが切れている訳ではないんです。
コーキングの上の塗膜が割れているだけなんですね。
これは塗装を行う前にコーキングを打ち、その後に塗装するため、塗膜が割れているんです。
コーキングに比べて塗膜は固い為、柔らかいコーキングがグネグネ動くと、塗膜が動きについていけず、
バキバキっと割れてくるんです。これが先打ちのデメリットです。この割れは高確率で起こります。
では先打ちにメリットは無いのか?という話ですが、勿論あります。
従来はコーキングの上に塗装をかける方法がほとんどだったと思います。
何故かと言うと、コーキングの劣化要因である紫外線から塗膜が守ってくれる為、
長持ちするというメリットがあるからです。
纏めると
先打ちのメリット・・・塗膜が上に乗る事で紫外線からコーキングを守れる為、コーキングが長持ちする。
先打ちのデメリット・・コーキングが柔軟なのに対し、塗膜は固い為、亀裂が入り見た目が悪くなる。
となります。
では2つ目の塗装完了後にコーキングを行う後打ちはどうなんでしょうか?こちらは先打ちの逆になります。
後打ちのメリット・・・塗膜が乗らない為、塗膜割れが起きない。亀裂が入る時はコーキングが劣化した時なので
目視で劣化の確認がしやすい。
後打ちのデメリット・・・塗膜が乗らない為、コーキングが紫外線に晒される為、先打ちに比べて劣化しやすい。
となります。
先打ち・後打ちには各々メリット・デメリットが有ります。
その為、どちらが良いとかではなく、お客様が何を重視するのかによって、推奨する内容が変わってきます。
例えば後打ちの場合を想像してみてください。
後打ちの場合は塗装の色とコーキングの色が違うとどのように見えますでしょうか?
大げさに言うと、外壁の色が黒でコーキングの色が白だった場合、全てラインが入ったような異様な見た目になります。
外壁の色とコーキングの色は同色又はほぼ近似の色でないとおかしな見た目になりますね。
そこで発生する疑問は「外壁の色とコーキングの色が同じに出来るのか?」という点です。
まず塗料の色は通常、調色といって、どんな色でも作り出す事が可能です。
ではコーキングの色はどうでしょうか?
コーキング材によっても変わりますが、決まった色の中から選ばなければいけない事が多いです。
という事は、外壁の色とコーキングの色を同じにするためには
色数の少ないコーキングの色に合わせて外壁の塗料を調色する
という方法を取る必要があります。
その為、外壁の色に拘りたい方・細かく考えたい方には色数が少ないコーキング色から
外壁色を選ばなければいけない後打ちは向いていません。
※コーキング色が少ないと言っても250~300色近くはありますが、鮮やかな色や極端に濃い色等は少ないです。
見た目を重視するのか、耐久性を重視するのか、色を重視するのか・・・・
お客様の考え方を聞いた上で提案をおこなわせて頂いております。
又、一部の塗料では先打ちを推奨しない塗料もあります。
特に注意が必要なのはクリヤー塗装工事の際です。
クリヤー塗装の際はコーキングの後打ちが原則です。
これはコーキングの上の塗膜に亀裂・割れが入る事によって白華する危険がある為です。
※白華とは白く濁ったような状態になってしまう事です。
白華するとこんな見た目になります↓
赤線で囲いましたが、全体的に白く濁っているのがわかります。
一度このような状態になるともうクリヤー塗装仕上げは不可能になります。
間違った施工方法を行う事がないように注意して下さいね。
では本日はこれで失礼致します。